GP仙台まで残すところ二週間を切りました。
日々デッキ調整に勤しんでいる人も多いのではないでしょうか?

そんな中、同じくスタンダードのグランプリであるGPワシントンの結果が出ました。

http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpwas10/top8decks

非常に多くのプレイヤーが参加者した今大会で、トップ8に残ったデッキタイプは


青白赤プレインズウォーカーコントロール×2
青白タップアウト×2
続唱ジャンド×3
バントビートダウン×1


となりました。
いずれも現スタンで人気のあるデッキタイプばかりです。
今回はこれらをデッキリストと共に分析していきます。


・青白赤プレインズウォーカーコントロール

Michael Stanfar
Grand Prix Washington DC 2010 - Top 8

3 Arid Mesa
4 Celestial Colonnade
4 Glacial Fortress
4 Island
1 Mountain
5 Plains
3 Scalding Tarn
2 Tectonic Edge

2 Sea Gate Oracle
4 Wall of Omens

3 Ajani Vengeant
2 Day of Judgment
3 Elspeth, Knight-Errant
3 Gideon Jura
3 Jace, the Mind Sculptor
1 Luminarch Ascension
2 Martial Coup
1 Mind Spring
3 Oblivion Ring
3 Path to Exile
4 Spreading Seas

Sideboard

1 Day of Judgment
2 Flashfreeze
3 Kor Firewalker
2 Meddling Mage
4 Negate
1 Path to Exile
2 Sphinx of Jwar Isle


最近になって登場した、各種プレインズウォーカー(以下PW)を軸としたコントロールデッキです。

どのPWも単品で強力なカードばかりですが、《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant(ALA)》と《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》はやや死にやすいという弱点があります。
しかし、それらは《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant(ALA)》と《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》という守りにおいて強いプレインズウォーカーでサポートすることで、より安全に運用することができます。
特にROEにて新たに参入した《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》は極めて硬く、その能力もデッキにマッチしたものとなっています。

動きですが、序盤は《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》と《前兆の壁/Wall of Omens(ROE)》と各種単体除去で凌ぎ、4マナに到達したらあとはプレインズウォーカーを並べていくだけという比較的単純なデッキです。フィニッシュ手段もPWにまかせられます。

ほぼノンクリーチャーの構成を取っているものが多く、《審判の日/Day of Judgment(ZEN)》と《軍部政変/Martial Coup(CON)》の威力を最大限まで引き伸ばすことができます。
よってビートダウンデッキ全般に強く、クリーチャーの攻撃以外では死にづらいというPWの性質上、青白タップアウトなどのコントロールデッキに対しても優位にゲームを進めることが可能です。

弱点は《大渦の脈動/Maelstrom Pulse(ARB)》や《忘却の輪/Oblivion Ring(ALA)》といった直接PWを除去できるカード。ある意味デッキの根幹を否定するカードなので、今後このデッキタイプが流行るようなら、これらの採用枚数を増やしておいたほうがよいでしょう。

また、動きが大振りなのでハンデスにも弱いところがあります。
特に《荒廃稲妻/Blightning(ALA)》はPWを除去しつつハンドも攻められるので、このデッキには非常によく効きます。

三色デッキなので、《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster(ZEN)》のようなランデスカードでマナ基盤を攻めるのも有効でしょう。

このデッキリストではサイドの《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle(ZEN)》が印象的です。
サイド後にクリーチャー除去を抜いた相手に対して、対処が難しいこのクリーチャーは大きな脅威となることでしょう。


・青白タップアウト

Brad Nelson
Grand Prix Washington DC 2010 - Top 8

2 Arid Mesa
4 Celestial Colonnade
4 Glacial Fortress
7 Island
5 Plains
2 Sejiri Refuge
2 Tectonic Edge

4 Baneslayer Angel
4 Wall of Omens

3 Day of Judgment
2 Elspeth, Knight-Errant
2 Everflowing Chalice
2 Gideon Jura
3 Jace, the Mind Sculptor
1 Martial Coup
2 Mind Spring
3 Oblivion Ring
4 Path to Exile
4 Spreading Seas

Sideboard

2 Celestial Purge
1 Elspeth, Knight-Errant
1 Jace Beleren
3 Kor Firewalker
1 Kor Sanctifiers
1 Martial Coup
4 Negate
1 Oblivion Ring
1 Sphinx of Lost Truths


青白という色でありながら、メインボードではカウンターの要素を完全に捨て、自分のターンで土地を寝かせて動くことから、この名前で呼ばれるコントロールデッキです。

PWコントロールに同じく、序盤は《前兆の壁/Wall of Omens(ROE)》や《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》及び各種単体除去で凌ぎ、4マナ域に達した後は全体除去やPWやドローカードを大量のマナから連打するという動きになります。

全体除去を擁するのでビートダウン全般に対して有利であり、ジャンドに対しても一枚一枚のカードパワーにより互角に渡りあう、新世代のコントロールデッキであります。
このデッキリストではPWが多く積まれているので、ある意味PWコントロールの亜種といってもいいかもしれません。

コントロールなので弱点はハンデス・・・と言いたいところですが、《思考の泉/Mind Spring(M10)》という大量ドローカードにより、少々のハンデスは効果が薄くなりがち。
《強迫/Duress(M10)》のような狙ったカードをピンポイントで落とせるようなカードを多く投入するとよいでしょう。


・続唱ジャンド

Owen Turtenwald
Grand Prix Washington DC 2010 - Top 8

4 Dragonskull Summit
3 Forest
1 Lavaclaw Reaches
3 Mountain
4 Raging Ravine
4 Savage Lands
3 Swamp
4 Verdant Catacombs

4 Bloodbraid Elf
1 Broodmate Dragon
4 Putrid Leech
1 Siege-Gang Commander
4 Sprouting Thrinax

4 Bituminous Blast
4 Blightning
4 Lightning Bolt
4 Maelstrom Pulse
2 Sarkhan the Mad
2 Terminate

Sideboard

2 Doom Blade
4 Duress
4 Goblin Ruinblaster
1 Malakir Bloodwitch
2 Prophetic Prism
2 Pyroclasm


ゼンディカー参入後よりスタンダード環境トップメタに君臨し続ける、ジャンドカラー(赤黒緑)のグッドスタッフデッキ。
《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf(ARB)》からめくれるカードが非常に強力なカラーです。

最近はPWコントロールやバントの台等により一時期の勢力は無くなりつつありますが、とにかく個々のカードパワーが非常に高く、極端に苦手なデッキというものが存在しないので、どんなデッキを相手にしても安定して戦えるデッキタイプです。

ROEでも《狂乱のサルカン/Sarkhan the Mad(ROE)》を獲得しており、このリストでも採用されています。

色の性質上、対応力が非常に高いのでメタに合わせてパーツを変えられるのも強みです。
例えばビートダウンが流行りそうなら《終止/Terminate(ARB)》や《瀝青破/Bituminous Blast(ARB)》の枚数を増やす、コントロールが流行りそうなら《強迫/Duress(M10)》の枚数を増やすと言った具合に。

このデッキリストではサイドの《予言のプリズム/Prophetic Prism(ROE)》と《紅蓮地獄/Pyroclasm(M10)》が印象的。
前者は《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》の流行を受けて投入されたものでしょう。
ジャンドは、マナ基盤を攻められると動きづらくなるという弱点ががありますが、《予言のプリズム/Prophetic Prism(ROE)》はそれを軽減してくれます。
後者は最近流行りだしたバントの《貴族の教主/Noble Hierarch(CON)》や《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》を早めに除去するために投入されていると思われます。

ジャンドはその構成によって対策も異なってくるので、明確にこれを使えば勝てるというカードがありません(それがこのデッキタイプをトップメタの一角にさせている一因なのですが)。
一応ランデスやハンデスが効くと言われていますが、それらも《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf(ARB)》を連打されたらかなり厳しいものがあります。
結局、続唱も含め相手の引き次第なところがあるので、「少なくとも五分程度の勝率があればいい」と割り切って考えたほうがよいと思われます。


・バントビートダウン

Brett Blackman
Grand Prix Washington DC 2010 - Top 8

4 Celestial Colonnade
4 Forest
2 Island
4 Misty Rainforest
2 Plains
2 Sejiri Steppe
1 Stirring Wildwood
2 Sunpetal Grove
4 Verdant Catacombs

4 Baneslayer Angel
4 Birds of Paradise
4 Dauntless Escort
4 Knight of the Reliquary
4 Lotus Cobra
4 Noble Hierarch
4 Sovereigns of Lost Alara

2 Eldrazi Conscription
2 Gideon Jura
3 Jace, the Mind Sculptor

Sideboard

3 Kor Firewalker
4 Negate
2 Oblivion Ring
2 Path to Exile
2 Qasali Pridemage
2 Sphinx of Jwar Isle


その名の通りバントカラー(青白緑)のビートダウンデッキです。

最序盤に《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》や《貴族の教主/Noble Hierarch(CON)》などのマナクリーチャーを展開。
《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary(CON)》や《悪斬の天使/Baneslayer Angel(M10)》などの強力クリーチャーに素早く繋げ、相手を叩き潰します。

このリストでは《失われたアラーラの君主/Sovereigns of Lost Alara(ARB)》が採用されています。
《エルドラージの徴兵/Eldrazi Conscription(ROE)》を得たことにより、《失われたアラーラの君主/Sovereigns of Lost Alara(ARB)》は強力なクリーチャーとなりました。
一度出てしまえば、自身で殴らなくても適当なマナクリーチャーあたりに殴らせておくだけで超巨大クリーチャーの出来上がりです。

弱点はやはり除去。
ダメージソースをクリーチャーに頼っているため、とにかくクリーチャーをケアできていれば問題ありません。
なのでクリーチャー除去を沢山突っ込んでおけばこのデッキは対策できます。《死の印/Deathmark(M10)》は特に有効です。

一方バントを使用する際には除去に気をつけなければなりません。
このデッキでも採用されていますが《不屈の随員/Dauntless Escort(ARB)》は《審判の日/Day of Judgment(ZEN)》や《軍部政変/Martial Coup(CON)》に対する回答になりえます。サイドボードの《否認/Negate(M10)》もそのひとつです。

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