ミラディン包囲戦が発売して2週間ほど経ち、ドラフトジャンキーな方々は既にこの環境でのピック方針も固まりつつある頃かと思う。
私もその例に漏れず週末はドラフト三昧な日々を送っているのだが、今回はそんな新環境での「感染」デッキについての考察。
感染はsom×3の頃から強力なアーキタイプの一つとして一定の地位を確保していたが、国内、海外含めた様々なドラフトに関する記事を見ていると、「ミラディン包囲戦が入ったことによりアーキタイプ感染については強化された」という意見が多く見られる。
そしてそれに伴い多くのプレイヤーがこのアーキタイプを目指すため、競争が激化していると。
実際私の経験からしても、感染は非常にやりづらいデッキになったと感じている。
なぜこのようなことになったのか、ミラディンの傷跡との感染に関するカードとの比較により検証しよう。
まず、ミラディンの傷跡での感染に関するカードは以下の通り。
これら感染に関するカードのリストから読み取れるものは何か?
1.出現率の増加
ミラディンの傷跡(以下傷跡)の感染に関するカードは20枚。一方のミラディン包囲戦(以下包囲戦)の感染に関するカードも20枚である。
ただし、傷跡は大型セットで包囲戦が小型セットなので同枚数ならば包囲戦のほうがその出現率は上がっているということになる。
また包囲戦には《ピスタスの一撃/Pistus Strike(MBS)》や《悪性の傷/Virulent Wound(MBS)》、《病気の拡散/Spread the Sickness(MBS)》といった感染との相性が抜群のカードも存在するので実質的な枚数はかなり増えている。
ということは、 卓内でのこのアーキタイプの許容人数は増えるはずだ。
2.サイズの上昇
包囲戦の感染クリーチャーは傷跡のものと比べるとサイズの大きいものが目立つ。
コモンの《荒廃後家蜘蛛/Blightwidow(MBS)》、《災いの召使い/Scourge Servant(MBS)》は傷跡の段階では存在しなかったサイズだ。
アンコモン以上にもなるとその傾向は顕著であり、《敗血のネズミ/Septic Rats(MBS)》をはじめ、《ファイレクシアの巨大戦車/Phyrexian Juggernaut(MBS)》や《ファイレクシアのハイドラ/Phyrexian Hydra(MBS)》なんていう実に馬鹿げたサイズのものが登場してしまった。
感染を持つクリーチャーはそれを持たないクリーチャーと比べると、サイズが上がることによるカードパワーの上昇率が大きいので、それだけ個々の強力さが目立つ格好となる。
となると、一枚でゲームに大きな影響を与えられるということであり早い段階でのピックが予想される。
また、サイズが小さいものでも《ノーンの僧侶/Priests of Norn(MBS)》や《腐敗狼/Rot Wolf(MBS)》、《ヴィリジアンの堕落者/Viridian Corrupter(MBS)》は高いカードパワーを持っており、感染というアーキタイプを意識せずとも取りたくなる性能を持っている。
傷跡での感染クリーチャーはサイズが小さくそれ単体でのカードパワーは低いものが多かったのでアーキタイプとしての感染を意識したピックになっていた。
つまり決め打ち傾向が強かったということだ。
一方の包囲戦の感染クリーチャーたちは個々のカードパワーが高いために、アーキタイプとしての感染を意識せずともピックに値するカードとなったので「丸い」ピックが可能になっている。
つまり、 初期段階でのピックが行われやすくなったということだ。
------------------------------------------------------
以上の二つの要素を考えると、それぞれが打ち消し合ってまともになるかと思いきや実はそうでもなかったり。
1パック目で強力な感染クリーチャーが取れていると、どうしても2パック目以降でも感染というアーキタイプを狙いたくなってしまう。
「感染は卓内に発生しすぎるので危険だ」と頭ではわかっていても、なかなかそうはいかないのが人間である。「自分が降りれば、他のプレイヤーが強力な感染デッキを作ることに繋がってしまう」という考えもある。
結果感染クリーチャーの数自体が十分に行き渡らず、中途半端な30点削るデッキが多く出来上がる。
感染というアーキタイプから見ると、今回の 発売されたのが遅いパックから開封を行うという変更は非常に大きな意味をもたらしたのだ。
私もその例に漏れず週末はドラフト三昧な日々を送っているのだが、今回はそんな新環境での「感染」デッキについての考察。
感染はsom×3の頃から強力なアーキタイプの一つとして一定の地位を確保していたが、国内、海外含めた様々なドラフトに関する記事を見ていると、「ミラディン包囲戦が入ったことによりアーキタイプ感染については強化された」という意見が多く見られる。
そしてそれに伴い多くのプレイヤーがこのアーキタイプを目指すため、競争が激化していると。
実際私の経験からしても、感染は非常にやりづらいデッキになったと感じている。
なぜこのようなことになったのか、ミラディンの傷跡との感染に関するカードとの比較により検証しよう。
まず、ミラディンの傷跡での感染に関するカードは以下の通り。
コモン
・黒
《疫病のとげ刺し/Plague Stinger(SOM)》
《黒割れのゴブリン/Blackcleave Goblin(SOM)》
《伝染病の屍賊/Contagious Nim(SOM)》
《秘宝の腐敗/Relic Putrescence(SOM)》
《汚れた一撃/Tainted Strike(SOM)》
・緑
《荒廃のマンバ/Blight Mamba(SOM)》
《テル=ジラードの堕ちたる者/Tel-Jilad Fallen(SOM)》
《嚢胞抱え/Cystbearer(SOM)》
・アーティファクト
《媒介のアスプ/Vector Asp(SOM)》
《死体の野犬/Corpse Cur(SOM)》
《胆液爪のマイア/Ichorclaw Myr(SOM)》
アンコモン
・黒
《胆液の鼠/Ichor Rats(SOM)》
・緑
《絡み森の鮟鱇/Tangle Angler(SOM)》
《屍肉の呼び声/Carrion Call(SOM)》
・アーティファクト
《生体融合外骨格/Grafted Exoskeleton(SOM)》
《屍百足/Necropede(SOM)》
《感染の三角護符/Trigon of Infestation(SOM)》
レア・神話レア
・黒
《法務官の手/Hand of the Praetors(SOM)》
《荒廃のドラゴン、スキジリクス/Skithiryx, the Blight Dragon(SOM)》
・緑
《化膿獣/Putrefax(SOM)》
一方の包囲戦は以下の通り
コモン
・白
《ノーンの僧侶/Priests of Norn(MBS)》
《枝モズ/Tine Shrike(MBS)》
・黒
《解剖妖魔/Flensermite(MBS)》
《ファイレクシア化/Phyresis(MBS)》
《災いの召使い/Scourge Servant(MBS)》
・緑
《荒廃後家蜘蛛/Blightwidow(MBS)》
《腐敗狼/Rot Wolf(MBS)》
・アーティファクト
《ファイレクシアの消化者/Phyrexian Digester(MBS)》
アンコモン
・青
《堕落した良心/Corrupted Conscience(MBS)》
・黒
《肉食いインプ/Flesh-Eater Imp(MBS)》
《敗血のネズミ/Septic Rats(MBS)》
・緑
《ヴィリジアンの堕落者/Viridian Corrupter(MBS)》
・アーティファクト
《核をうろつくもの/Core Prowler(MBS)》
《ファイレクシアの巨大戦車/Phyrexian Juggernaut(MBS)》
《疫病のマイア/Plague Myr(MBS)》
レア・神話レア
・黒
《ファイレクシアの槽母/Phyrexian Vatmother(MBS)》
《ファイレクシアの十字軍/Phyrexian Crusader(MBS)》
・緑
《ファイレクシアのハイドラ/Phyrexian Hydra(MBS)》
・アーティファクト・土地
《荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus(MBS)》
《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》
これら感染に関するカードのリストから読み取れるものは何か?
1.出現率の増加
ミラディンの傷跡(以下傷跡)の感染に関するカードは20枚。一方のミラディン包囲戦(以下包囲戦)の感染に関するカードも20枚である。
ただし、傷跡は大型セットで包囲戦が小型セットなので同枚数ならば包囲戦のほうがその出現率は上がっているということになる。
また包囲戦には《ピスタスの一撃/Pistus Strike(MBS)》や《悪性の傷/Virulent Wound(MBS)》、《病気の拡散/Spread the Sickness(MBS)》といった感染との相性が抜群のカードも存在するので実質的な枚数はかなり増えている。
ということは、 卓内でのこのアーキタイプの許容人数は増えるはずだ。
2.サイズの上昇
包囲戦の感染クリーチャーは傷跡のものと比べるとサイズの大きいものが目立つ。
コモンの《荒廃後家蜘蛛/Blightwidow(MBS)》、《災いの召使い/Scourge Servant(MBS)》は傷跡の段階では存在しなかったサイズだ。
アンコモン以上にもなるとその傾向は顕著であり、《敗血のネズミ/Septic Rats(MBS)》をはじめ、《ファイレクシアの巨大戦車/Phyrexian Juggernaut(MBS)》や《ファイレクシアのハイドラ/Phyrexian Hydra(MBS)》なんていう実に馬鹿げたサイズのものが登場してしまった。
感染を持つクリーチャーはそれを持たないクリーチャーと比べると、サイズが上がることによるカードパワーの上昇率が大きいので、それだけ個々の強力さが目立つ格好となる。
となると、一枚でゲームに大きな影響を与えられるということであり早い段階でのピックが予想される。
また、サイズが小さいものでも《ノーンの僧侶/Priests of Norn(MBS)》や《腐敗狼/Rot Wolf(MBS)》、《ヴィリジアンの堕落者/Viridian Corrupter(MBS)》は高いカードパワーを持っており、感染というアーキタイプを意識せずとも取りたくなる性能を持っている。
傷跡での感染クリーチャーはサイズが小さくそれ単体でのカードパワーは低いものが多かったのでアーキタイプとしての感染を意識したピックになっていた。
つまり決め打ち傾向が強かったということだ。
一方の包囲戦の感染クリーチャーたちは個々のカードパワーが高いために、アーキタイプとしての感染を意識せずともピックに値するカードとなったので「丸い」ピックが可能になっている。
つまり、 初期段階でのピックが行われやすくなったということだ。
------------------------------------------------------
以上の二つの要素を考えると、それぞれが打ち消し合ってまともになるかと思いきや実はそうでもなかったり。
1パック目で強力な感染クリーチャーが取れていると、どうしても2パック目以降でも感染というアーキタイプを狙いたくなってしまう。
「感染は卓内に発生しすぎるので危険だ」と頭ではわかっていても、なかなかそうはいかないのが人間である。「自分が降りれば、他のプレイヤーが強力な感染デッキを作ることに繋がってしまう」という考えもある。
結果感染クリーチャーの数自体が十分に行き渡らず、中途半端な30点削るデッキが多く出来上がる。
感染というアーキタイプから見ると、今回の 発売されたのが遅いパックから開封を行うという変更は非常に大きな意味をもたらしたのだ。
コメント