同著者の作品グラスホッパーの続編になってるけど、読んで無くても全然楽しめると思います。

グラスホッパーに同じく複数の殺し屋達の対決を書いたもの。
どの登場人物もユニークで思わず惹きつけられます。
文学好きの殺し屋や機関車トーマスの好きな殺し屋が出てくる小説はこれぐらいなものでしょう。

場所が新幹線の中という極めて限定された空間の中で行われているのにも関わらず登場人物がすれ違いを続ける様はコミカルであり、最終的に行われる殺し合いも殺伐とした雰囲気を感じさせません。

登場人物の一人であり、人心掌握術に長け世の中を意のままにしてきた中学生「王子」の憎たらしさは本当に上手く書けていて読者感情を大きく揺さぶってきます。

最後のほうで語られる「どうして人を殺してはいけないのか」という命題に対する一つの回答も実に興味深いものでした。

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