DGRドラフトが難解な理由
2013年5月5日 Magic:the Gathering コメント (2)DGRドラフトは難しくて上手くデッキを組めないという意見をDNで目にしたり、実際にプレイしている人から聞くことが多いです。
じゃあなんで難しいのか?それには二つの理由があると考えます。
1つ目はそれまで混在しなかった3つのエキスパンションをいきなり組み合わせるということ。
2つ目は異なる大型エキスパンションを2つ使った初めての環境だからということです。
まず1つ目の理由について。
マジックでは通常のブロックは大-小-小で構成されます。
そしてドラフトは1st-1s-1st、2nd-1st-1st、3rd-2nd-1stというように変化します。
その過程でドラフトでの第一エキスパンションの影響はどんどん薄くなります。もちろん第一エキスパンションの使用量が減るからです。
ドラフトにおいての大型と小型の最大の違いは特定のコモンの出現率が大きく異なるところにあります。
特定のコモンが1つのパックから出現する期待値は大型では約0.1枚なのに対して、小型では約0.1666...枚あります。コモンカードの総数が大型より小型のほうが少ないからです。
なのでブロック最後の3rdエキスパンション発売後に行われる3rd-2nd-1stで行われるドラフトでは、1stエキスパンションのコモンは後に2nd、3rdに比べて劣位にあり、それをアテにした戦術は取りにくくなります。
しかし最終エキスパンションが出る前に行われる2nd-1st-1stの段階では2ndより1stエキスパンションの影響力のほうが大きい状態です。この形式でのドラフトを経てから3rdを迎え、緩やかに環境が変化していったのが以前のドラフトでした。
つまりベースとなる1stエキスパンションが常にあったわけですが、今回は変則的に1st-1st-1st(RRR)、2nd-2nd-2nd(GGG)という形式が取られたためラヴニカへの回帰とギルド門侵犯の相互作用について確認されることがない状態でのスタートとなりました。
プレイヤーは全く触れたことのないドラゴンの迷路のカードに遭遇しつつ、過去のパックであるラヴニカへの回帰とギルド門侵犯のシナジーについても同時に理解しなくてはならなくなりました。
これが今回のドラフトの難解さのひとつの理由です。
次に2つ目の理由について。
現在のドラフトはアーキタイプドラフトと呼ばれ、特定のコモンが卓内のパックから出現することを想定したデッキ作りが行われています。
例としてRTRでの居住セレズニア、GTCでの大隊ボロスが挙げられます。居住ではトークン生成カードと居住スペル、大隊では大隊を持つクリーチャーを集めまくるという指針がありました。
これらは前提としてコモンカードをアテにしたものです。居住なら《ケンタウルスの伝令/Centaur’s Herald(RTR)》や《狩猟者の協定/Coursers’ Accord(RTR)》、大隊なら《果敢なスカイジェク/Daring Skyjek(GTC)》や《戦心の歩兵/Warmind Infantry(GTC)》です。
大型エキスパンション×3のドラフトでは1つの卓に出現する特定のコモンの期待値は2.4(0.1×3×8)枚です。
その特定のコモンが流れてくることに期待したピックをするためには住み分けが重要な概念でした。最初のパックで狙ったコモンが無くても、卓内での住み分けが出来ていれば後で取れるだろうという算段が成立したからです。
では今のDGRドラフトはどうでしょうか。
このドラフトでは、ラブニカへの回帰とギルド門侵犯が大型であるためそれぞれで出現する特定のコモンの枚数期待値は0.8(0.1×8)枚です。
つまり1枚を切っており、そもそも出現するかどうかすら怪しい状況。
そんな状況では協調ドラフトの意味も薄れてきます。後で本当に取れるかどうかもわからないのに、自分だけが協調路線を取っても仕方ありませんからね。
そうなるとプレイヤーのピックは他のプレイヤーを意識したピックではなく、自分がどれだけパワーカードをピックできるかという点に集中します。
つまり、パックから出たカードを強いと思う順にピックしていくという方針です。
さらに悪いことにドラゴンの迷路のカードは多色の高レアリティ>単色のコモンという図式が成り立っているため、強い多色カードが上手く他の人と色が被らずにピックできるかが重要になります。
つまりプレイヤーは上手い具合に色がバラけた状態のパックを開封できるかで差が付くことになり、本人の意志の介入する要素が少ないということに。
これが今回のドラフトの難解さのもうひとつの理由です。
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長々と書いてきましたが具体的な内容についてまとめると
・ラヴニカ、ゲートクラッシュが大型なのでバラつきが大きい
・ドラゴンズメイズの多色カードが強すぎてカードパワーを妥協した協調戦略を取りにくい
以上の理由により上手くデッキを組むのが難しい環境になっていると考えます。
じゃあなんで難しいのか?それには二つの理由があると考えます。
1つ目はそれまで混在しなかった3つのエキスパンションをいきなり組み合わせるということ。
2つ目は異なる大型エキスパンションを2つ使った初めての環境だからということです。
まず1つ目の理由について。
マジックでは通常のブロックは大-小-小で構成されます。
そしてドラフトは1st-1s-1st、2nd-1st-1st、3rd-2nd-1stというように変化します。
その過程でドラフトでの第一エキスパンションの影響はどんどん薄くなります。もちろん第一エキスパンションの使用量が減るからです。
ドラフトにおいての大型と小型の最大の違いは特定のコモンの出現率が大きく異なるところにあります。
特定のコモンが1つのパックから出現する期待値は大型では約0.1枚なのに対して、小型では約0.1666...枚あります。コモンカードの総数が大型より小型のほうが少ないからです。
なのでブロック最後の3rdエキスパンション発売後に行われる3rd-2nd-1stで行われるドラフトでは、1stエキスパンションのコモンは後に2nd、3rdに比べて劣位にあり、それをアテにした戦術は取りにくくなります。
しかし最終エキスパンションが出る前に行われる2nd-1st-1stの段階では2ndより1stエキスパンションの影響力のほうが大きい状態です。この形式でのドラフトを経てから3rdを迎え、緩やかに環境が変化していったのが以前のドラフトでした。
つまりベースとなる1stエキスパンションが常にあったわけですが、今回は変則的に1st-1st-1st(RRR)、2nd-2nd-2nd(GGG)という形式が取られたためラヴニカへの回帰とギルド門侵犯の相互作用について確認されることがない状態でのスタートとなりました。
プレイヤーは全く触れたことのないドラゴンの迷路のカードに遭遇しつつ、過去のパックであるラヴニカへの回帰とギルド門侵犯のシナジーについても同時に理解しなくてはならなくなりました。
これが今回のドラフトの難解さのひとつの理由です。
次に2つ目の理由について。
現在のドラフトはアーキタイプドラフトと呼ばれ、特定のコモンが卓内のパックから出現することを想定したデッキ作りが行われています。
例としてRTRでの居住セレズニア、GTCでの大隊ボロスが挙げられます。居住ではトークン生成カードと居住スペル、大隊では大隊を持つクリーチャーを集めまくるという指針がありました。
これらは前提としてコモンカードをアテにしたものです。居住なら《ケンタウルスの伝令/Centaur’s Herald(RTR)》や《狩猟者の協定/Coursers’ Accord(RTR)》、大隊なら《果敢なスカイジェク/Daring Skyjek(GTC)》や《戦心の歩兵/Warmind Infantry(GTC)》です。
大型エキスパンション×3のドラフトでは1つの卓に出現する特定のコモンの期待値は2.4(0.1×3×8)枚です。
その特定のコモンが流れてくることに期待したピックをするためには住み分けが重要な概念でした。最初のパックで狙ったコモンが無くても、卓内での住み分けが出来ていれば後で取れるだろうという算段が成立したからです。
では今のDGRドラフトはどうでしょうか。
このドラフトでは、ラブニカへの回帰とギルド門侵犯が大型であるためそれぞれで出現する特定のコモンの枚数期待値は0.8(0.1×8)枚です。
つまり1枚を切っており、そもそも出現するかどうかすら怪しい状況。
そんな状況では協調ドラフトの意味も薄れてきます。後で本当に取れるかどうかもわからないのに、自分だけが協調路線を取っても仕方ありませんからね。
そうなるとプレイヤーのピックは他のプレイヤーを意識したピックではなく、自分がどれだけパワーカードをピックできるかという点に集中します。
つまり、パックから出たカードを強いと思う順にピックしていくという方針です。
さらに悪いことにドラゴンの迷路のカードは多色の高レアリティ>単色のコモンという図式が成り立っているため、強い多色カードが上手く他の人と色が被らずにピックできるかが重要になります。
つまりプレイヤーは上手い具合に色がバラけた状態のパックを開封できるかで差が付くことになり、本人の意志の介入する要素が少ないということに。
これが今回のドラフトの難解さのもうひとつの理由です。
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長々と書いてきましたが具体的な内容についてまとめると
・ラヴニカ、ゲートクラッシュが大型なのでバラつきが大きい
・ドラゴンズメイズの多色カードが強すぎてカードパワーを妥協した協調戦略を取りにくい
以上の理由により上手くデッキを組むのが難しい環境になっていると考えます。
コメント
個人的にはあまり好ましいことでは無いですね・・・
実際にドラフトを共にプレイする仲間内でも「この環境ではライブ感が大事」なんて言ってたりしますし。