M14フルスポイラー
http://www.wizards.com/Magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/magic2014coreset/cig
リミテッド視点(特にドラフト)で気になったとこを色別にいくつか。
【白】
・クリーチャーのパワーが低い
点数で見たマナコスト以上のパワーを持つクリーチャーがほとんどいません。
パワー<タフネスなクリーチャーばかりです。
天使の壁再録に特にその傾向がつかめます。
地上での殴り合いはせず、固めて上から殴るという基本戦術になりそうですが・・・
・フライヤー弱体化
今回の新規コモン飛行枠は突進するグリフィン(4マナ2/2飛行、殴ると+1/+1修正)。
再録で《陽光尾の鷹/Suntail Hawk(10E)》、《グリフィンの歩哨/Griffin Sentinel(M12)》。
なんとコモンでパワー2以上のフライヤーがたった1体しかいません。
ちょっと困りますね。
・またもやタッパー不在
タッパーと言えばリミテッドの華。
M10,11では《目潰しの魔道士/Blinding Mage(M11)》、M12では《ギデオンの法の番人/Gideon’s Lawkeeper(M12)》が収録され白の強さを支えてきました。
M13ではこのタッパー枠が消滅しましたが、今回もナシ。
基本セットでないエキスパンションでも《アヴァシン教の僧侶/Avacynian Priest(ISD)》を最後にコモンにタッパーを見られません。
M13が色の強弱バランスの出来が良いエキスパンションだったという事実を考えると、タッパーは強すぎるという判断がなされたのかもしれません。
・ピン除去枠の変化
《神聖なる評決/Divine Verdict(M13)》のようなレンジストライク系除去は今回は天界のほとばしり(WWの2マナインスタント、攻撃クリーチャーがブロッククリーチャーを一体生贄に捧げさせる)になりました。
ダブルシンボルになった上に確実性が落ちたこの除去は一体どこまでやれるのか?
今まで無いタイプの除去だけに、この呪文の評価次第で白の強弱は決まりそうです。
・アンコモン以上もパッとしない
アンコ除去枠《忘却の輪/Oblivion Ring(M13)》は放逐する僧侶に取って変わられました。
M13でビート戦略を支えた《栄光の騎士/Knight of Glory(M13)》、《オドリックの十字軍/Crusader of Odric(M13)》のようなクリーチャーも存在せず剣の壁が再録されていたりと、かなり後ろ向きな印象を受けます。
セラ天は唯一の救いでしょうか。
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基本セットの白と言えばリミテッドでは優等生なイメージがありましたが、今回はそうもいかなそうな印象を受けます。
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【青】
・フライヤーは優秀
青と言えばリミテッドでは白と同じく飛行の色です。
青のコモンフライヤーは伝書ドレイク(5マナダブシン3/3飛行、死んだら1ドロー)、海岸ドレイク(2マナ1/3飛行)、訓練されたコンドル(3マナ2/1飛行、攻撃時に対象クリーチャーに飛行付与)が新規。
それ加え《ネファリアの海鳶/Nephalia Seakite(DKA)》が再録です。
最近白に押され気味だった青のフライヤーですが、今回は質、量ともにナンバーワンの位置を確保できていると言えます。
特に海鳶という実績十分なクリーチャーを保持している点は安心できます。
・地上は固める
《巻物泥棒/Scroll Thief(M13)》、《装甲のカンクリックス/Armored Cancrix(M11)》が再録。
パワー3以上のクリーチャーがおらず、地上で殴る気はほぼ無さそうです。
スペルで《感覚の剥奪/Sensory Deprivation(ISD)》と《閉所恐怖症/Claustrophobia(ISD)》が再録されており相手の攻撃に対して受ける準備は十分できそうです。
・送還⇒分散
今回《送還/Unsummon(M13)》が再録されていません。
かわりにバウンス枠として《分散/Disperse(SOM)》が収録。インスタントでクリーチャーを失うと大損害になるスリヴァーに配慮した結果でしょうかね。
ソーサリー枠で《時の引き潮/Time Ebb(TMP)》が再録されているので、オーラクソゲーは回避できそうです、
・コンマジ不在
《精神の制御/Mind Control(M12)》はM13に引き続きナシ。
この枠はレアに格上げされた《家畜化/Domestication(ROE)》になりました。
リミテクソゲー過ぎたのでこのぐらいがちょうどいいと思います。
・アンコモンが充実
今回の青のアンコモンは非常に実用的です。
制空権支配に定評のある《大気の召使い/Air Servant(M11)》、安定クロッカー《幻影の戦士/Phantom Warrior(M10)》、信頼度の高い壁である《霜の壁/Wall of Frost(M11)》、攻防に活躍する《水の召使い/Water Servant(M11)》、大量ドロー《好機/Opportunity(ULG)》、とそれぞれの分野で一流のカードばかりが揃っています。
イーヴォ島の管理人(3マナ2/2飛行、飛行クリーチャーのキャストコストが1減る)、幻影の鎧(5マナオーラ、エンチャント先に+4/+4、エンチャント先が対象になったらこのオーラを生贄)の二つは新規カードながら見るからに強力そうで期待できます。
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低レアリティのクリーチャー、スペルの充実度を見る限り今回の青はかなりの強カラーだと思います。
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【黒】
・破滅の刃アンコモン化
今回の黒にとって一番ショックだと思っています。
M13で《殺害/Murder(M13)》に変わった確定除去枠ですが、今まで黒の強さを支えてきたコモンだけに、その出現枚数の低下はかなり大きな影響があります。
取れる機会が限りなく低くなってしまうので、1-1で出現したらさっさと抑えてしまっていいでしょう。
・除去の枚数自体はあるが・・・
《泥沼病/Quag Sickness(M11)》、《減縮/Shrivel(ROE)》、《肉体のねじ切り/Wring Flesh(M12)》となんとも言いがたい再録組。
新規で血の儀式文(5マナソーサリー、対象を除去してマナプールにBBBを加える)がありますが、これまた使いにくい効果です。
今まで黒の除去の特徴であったシンプルに使いやすいという点が欠けてしまっているので、従来の感覚は捨てたほうがいいと思います。
・クリーチャーはまずまず
回避持ちが呪われたスピリット(4マナ3/2威嚇)、凶眼のコカトリス(4マナダブシン、2/2飛行接死)、《夜翼の影/Nightwing Shade(M11)》。
重い代わりにパワーの高いカードが揃っているので、しっかり盤面を整えてから出せばフィニッシャーとして十分期待できます。
地上クリーチャーではミノタウロスの嫌悪者(6マナダブシン、4/6バニラ)、アンデッドのミノタウロス(3マナ、2/3バニラ)の新規バニラ組がタフネス偏重で守りのクリーチャーです。
他の再録組もどちらかと言えば守りのクリーチャーが多く、攻め手は回避能力持ちに任せておいたほうがいいと思います。
・アンコモン以上はそれなり
《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire(M12)》再録はありがたい。
クリーチャー生贄システムを搭載しているカードが多く、シナジー前提の印象を受けます。
《反逆の行動/Act of Treason(GTC)》と一緒に使ってねということでしょうか。
ただれたイモリ(ただれたゴブリンの異種再版)、執拗な死者(1マナ1/1、死んだときに1B払うと場に戻る)など生贄シナジーを形成するカードもあり、今回のひとつのテーマになっています。
レアもシナジー前提のクセのあるものが多く、「これ一枚で勝てる」タイプの圧倒的レアはほぼありません。
「ただ強いカードを叩きつければいい」という基本セットからは脱却しているなあという印象を受けます。
------
黒は生贄システムを前提としたシナジーを意識した内容になっています。
加えて沼の数を参照するカードだ各レアリティに一枚づつあるため、赤を除く他の色との親和性が低く単色推奨のような雰囲気を受けます。
卓内で上手くガメれればかなり強力なデッキになりそうです。
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【赤】
・除去はやや物足りない
赤と言えば除去。
コモンの除去は《ショック/Shock(M12)》、《チャンドラの憤慨/Chandra’s Outrage(M12)》の二種。
《灼熱の槍/Searing Spear(M13)》、《金屑化/Turn to Slag(SOM)》だったM13と比べると軽く小回りがきくようになっています。
欲を言えばもう一枚除去枠を取って欲しいところですが、近年のクリーチャーでの殴り合い推奨っぷりを見るとこんなものでしょう。
アンコモンは《炬火の炎/Flames of the Firebrand(M13)》、《溶岩噴火/Volcanic Geyser(M13)》が引き続き再録。
あまり大きな変化は無いと思います。
・クリーチャーはパワー偏重
相変わらず丘巨人こと《峡谷のミノタウルス/Canyon Minotaur(M13)》がいるあたりいつもの赤という感じ。
単体でのパフォーマンスは低いクリーチャーが多いです。
環境の速度に影響する2マナ3マナクリーチャーも大して強くないので極端にマナカーブを低く寄せた高速デッキは作りにくいと思います。
赤の注目点はマナコストよりパワーの高いクリーチャーがコモンに2体いる点。
無法の槌角(4マナ5/3アタック強制、獣の代言者がいればデメリットナシ)、レガーサの火猫(3マナ、4/1バニラ)がそれに当たります。
これらの攻撃を上手く通せれるかが鍵になりそう。
ベタですが《稲妻の鉤爪/Lightning Talons(ALA)》つけたりなんてのは面白いですね。
一応コモンに回避能力持ちとしてそこそこのサイズのあるサイクロプスの暴君(6マナ3/4威嚇、パワー2以下をブロックできない)がいるので、うまく場を持たせられるデッキを作れたときはフィニッシャーになってくれるかもしれません。
・黒との親和性
《燃え投げの小悪魔/Pitchburn Devils(ISD)》、《反逆の行動/Act of Treason(GTC)》の二枚がコモンなので、黒の生贄エンジンと組み合わせると効果倍増。
いずれも単品だと大して強くないカードなので、アーキタイプとしては狙い目です。
・レアアンコはドラゴン
コモンでは飛行戦力の薄い赤ですが、高レアリティではドラゴンの卵とかシヴの抱擁とかシヴ山のドラゴンとか強いのが沢山います。
赤をやる際はこれら高レアリティの重量級カードを軸とするか、コモンの頭でっかちを軸とするかをきちんと決めておいたほうがいいでしょう。
------
除去の質、クリーチャーの内容共にM13の赤と良く似てるなーという印象を受けます。
M13の時と異なり他の色が防御的になっているので、その中で珍しい攻撃的カラーという点にどこまで活路を見出せるかがポイント。
------
【緑】
・重くでかいクリーチャー陣
今回の緑には《ケンタウルスの狩猟者/Centaur Courser(M13)》がいません。
かわりに《ルートワラ/Rootwalla(10E)》が入りました。
さらに注目したいのは轟くベイロス(ダブシン4マナ、4/4バニラ)。コモンで4マナ4/4が存在するのは結構な事件です。
この二枚は強力なカードですが、その分かかるマナも大きいです。
つまりこれらの能力を存分に発揮できるような落ち着いたゲーム展開を用意することになります。
幸い今回《大蜘蛛/Giant Spider(M12)》、《命取りの出家蜘蛛/Deadly Recluse(M13)》が揃って再録されているので、ゲームを落ち着かせるのに苦労はしないでしょう。
あるいはマナ加速戦術を使うのも手。
《遥か見/Farseek(M13)》こそありませんが、エルフの神秘家(ラノワールのエルフの同型再版)、マナ編みスリヴァー(スリヴァーがマナクリ化)、《新緑の安息所/Verdant Haven(GTC)》を使用して素早くファッティに繋げるのもいいでしょう。
5マナ域以降にもレシオに優れたクリーチャーが数多くいるため、出来るだけライフを保持した状態でゲーム中盤を迎えたいものです。
・充実の飛行対策
前述の蜘蛛二種に加え《垂直落下/Plummet(M13)》が安心の再録。
アンコモンには《暴風/Windstorm(M10)》も再録されており、緑に良くある「上が止まらず負け」というパターンはかなり減らせるのではないでしょうか。
・多色化しやすい
前述の《新緑の安息所/Verdant Haven(GTC)》と《地勢/Lay of the Land(APC)》の2種がコモンにあるので、多色化はかなりしやすいと思います。
除去や飛行クリーチャーなど緑に足りない要素を他で補うという戦術はありでしょう。
特に《霜のブレス/Frost Breath(M12)》と訓練されたコンドル(3マナ2/1飛行、攻撃時に対象クリーチャーに飛行付与)が緑のファッティと相性の良い青はタッチにもお勧めの組み合わせです。
・レアアンコはそれなり
踏み荒らしの後継種である大型化や《茨群れの頭目/Briarpack Alpha(DKA)》など戦闘に関係する強力カードがあります。
あとは少々特殊な条件なファッティなどで占められております。
まあいつもの緑ですね。
------
緑はM13と方向性は似ていますが、より重く、強大になったなという印象を受けます。
その上でテンポ負けを防ぐ蜘蛛二種の再録がされてるあたり、うまく調整されている感じもしますね。
http://www.wizards.com/Magic/tcg/article.aspx?x=mtg/tcg/magic2014coreset/cig
リミテッド視点(特にドラフト)で気になったとこを色別にいくつか。
【白】
・クリーチャーのパワーが低い
点数で見たマナコスト以上のパワーを持つクリーチャーがほとんどいません。
パワー<タフネスなクリーチャーばかりです。
天使の壁再録に特にその傾向がつかめます。
地上での殴り合いはせず、固めて上から殴るという基本戦術になりそうですが・・・
・フライヤー弱体化
今回の新規コモン飛行枠は突進するグリフィン(4マナ2/2飛行、殴ると+1/+1修正)。
再録で《陽光尾の鷹/Suntail Hawk(10E)》、《グリフィンの歩哨/Griffin Sentinel(M12)》。
なんとコモンでパワー2以上のフライヤーがたった1体しかいません。
ちょっと困りますね。
・またもやタッパー不在
タッパーと言えばリミテッドの華。
M10,11では《目潰しの魔道士/Blinding Mage(M11)》、M12では《ギデオンの法の番人/Gideon’s Lawkeeper(M12)》が収録され白の強さを支えてきました。
M13ではこのタッパー枠が消滅しましたが、今回もナシ。
基本セットでないエキスパンションでも《アヴァシン教の僧侶/Avacynian Priest(ISD)》を最後にコモンにタッパーを見られません。
M13が色の強弱バランスの出来が良いエキスパンションだったという事実を考えると、タッパーは強すぎるという判断がなされたのかもしれません。
・ピン除去枠の変化
《神聖なる評決/Divine Verdict(M13)》のようなレンジストライク系除去は今回は天界のほとばしり(WWの2マナインスタント、攻撃クリーチャーがブロッククリーチャーを一体生贄に捧げさせる)になりました。
ダブルシンボルになった上に確実性が落ちたこの除去は一体どこまでやれるのか?
今まで無いタイプの除去だけに、この呪文の評価次第で白の強弱は決まりそうです。
・アンコモン以上もパッとしない
アンコ除去枠《忘却の輪/Oblivion Ring(M13)》は放逐する僧侶に取って変わられました。
M13でビート戦略を支えた《栄光の騎士/Knight of Glory(M13)》、《オドリックの十字軍/Crusader of Odric(M13)》のようなクリーチャーも存在せず剣の壁が再録されていたりと、かなり後ろ向きな印象を受けます。
セラ天は唯一の救いでしょうか。
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基本セットの白と言えばリミテッドでは優等生なイメージがありましたが、今回はそうもいかなそうな印象を受けます。
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【青】
・フライヤーは優秀
青と言えばリミテッドでは白と同じく飛行の色です。
青のコモンフライヤーは伝書ドレイク(5マナダブシン3/3飛行、死んだら1ドロー)、海岸ドレイク(2マナ1/3飛行)、訓練されたコンドル(3マナ2/1飛行、攻撃時に対象クリーチャーに飛行付与)が新規。
それ加え《ネファリアの海鳶/Nephalia Seakite(DKA)》が再録です。
最近白に押され気味だった青のフライヤーですが、今回は質、量ともにナンバーワンの位置を確保できていると言えます。
特に海鳶という実績十分なクリーチャーを保持している点は安心できます。
・地上は固める
《巻物泥棒/Scroll Thief(M13)》、《装甲のカンクリックス/Armored Cancrix(M11)》が再録。
パワー3以上のクリーチャーがおらず、地上で殴る気はほぼ無さそうです。
スペルで《感覚の剥奪/Sensory Deprivation(ISD)》と《閉所恐怖症/Claustrophobia(ISD)》が再録されており相手の攻撃に対して受ける準備は十分できそうです。
・送還⇒分散
今回《送還/Unsummon(M13)》が再録されていません。
かわりにバウンス枠として《分散/Disperse(SOM)》が収録。インスタントでクリーチャーを失うと大損害になるスリヴァーに配慮した結果でしょうかね。
ソーサリー枠で《時の引き潮/Time Ebb(TMP)》が再録されているので、オーラクソゲーは回避できそうです、
・コンマジ不在
《精神の制御/Mind Control(M12)》はM13に引き続きナシ。
この枠はレアに格上げされた《家畜化/Domestication(ROE)》になりました。
リミテクソゲー過ぎたのでこのぐらいがちょうどいいと思います。
・アンコモンが充実
今回の青のアンコモンは非常に実用的です。
制空権支配に定評のある《大気の召使い/Air Servant(M11)》、安定クロッカー《幻影の戦士/Phantom Warrior(M10)》、信頼度の高い壁である《霜の壁/Wall of Frost(M11)》、攻防に活躍する《水の召使い/Water Servant(M11)》、大量ドロー《好機/Opportunity(ULG)》、とそれぞれの分野で一流のカードばかりが揃っています。
イーヴォ島の管理人(3マナ2/2飛行、飛行クリーチャーのキャストコストが1減る)、幻影の鎧(5マナオーラ、エンチャント先に+4/+4、エンチャント先が対象になったらこのオーラを生贄)の二つは新規カードながら見るからに強力そうで期待できます。
-----
低レアリティのクリーチャー、スペルの充実度を見る限り今回の青はかなりの強カラーだと思います。
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【黒】
・破滅の刃アンコモン化
今回の黒にとって一番ショックだと思っています。
M13で《殺害/Murder(M13)》に変わった確定除去枠ですが、今まで黒の強さを支えてきたコモンだけに、その出現枚数の低下はかなり大きな影響があります。
取れる機会が限りなく低くなってしまうので、1-1で出現したらさっさと抑えてしまっていいでしょう。
・除去の枚数自体はあるが・・・
《泥沼病/Quag Sickness(M11)》、《減縮/Shrivel(ROE)》、《肉体のねじ切り/Wring Flesh(M12)》となんとも言いがたい再録組。
新規で血の儀式文(5マナソーサリー、対象を除去してマナプールにBBBを加える)がありますが、これまた使いにくい効果です。
今まで黒の除去の特徴であったシンプルに使いやすいという点が欠けてしまっているので、従来の感覚は捨てたほうがいいと思います。
・クリーチャーはまずまず
回避持ちが呪われたスピリット(4マナ3/2威嚇)、凶眼のコカトリス(4マナダブシン、2/2飛行接死)、《夜翼の影/Nightwing Shade(M11)》。
重い代わりにパワーの高いカードが揃っているので、しっかり盤面を整えてから出せばフィニッシャーとして十分期待できます。
地上クリーチャーではミノタウロスの嫌悪者(6マナダブシン、4/6バニラ)、アンデッドのミノタウロス(3マナ、2/3バニラ)の新規バニラ組がタフネス偏重で守りのクリーチャーです。
他の再録組もどちらかと言えば守りのクリーチャーが多く、攻め手は回避能力持ちに任せておいたほうがいいと思います。
・アンコモン以上はそれなり
《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire(M12)》再録はありがたい。
クリーチャー生贄システムを搭載しているカードが多く、シナジー前提の印象を受けます。
《反逆の行動/Act of Treason(GTC)》と一緒に使ってねということでしょうか。
ただれたイモリ(ただれたゴブリンの異種再版)、執拗な死者(1マナ1/1、死んだときに1B払うと場に戻る)など生贄シナジーを形成するカードもあり、今回のひとつのテーマになっています。
レアもシナジー前提のクセのあるものが多く、「これ一枚で勝てる」タイプの圧倒的レアはほぼありません。
「ただ強いカードを叩きつければいい」という基本セットからは脱却しているなあという印象を受けます。
------
黒は生贄システムを前提としたシナジーを意識した内容になっています。
加えて沼の数を参照するカードだ各レアリティに一枚づつあるため、赤を除く他の色との親和性が低く単色推奨のような雰囲気を受けます。
卓内で上手くガメれればかなり強力なデッキになりそうです。
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【赤】
・除去はやや物足りない
赤と言えば除去。
コモンの除去は《ショック/Shock(M12)》、《チャンドラの憤慨/Chandra’s Outrage(M12)》の二種。
《灼熱の槍/Searing Spear(M13)》、《金屑化/Turn to Slag(SOM)》だったM13と比べると軽く小回りがきくようになっています。
欲を言えばもう一枚除去枠を取って欲しいところですが、近年のクリーチャーでの殴り合い推奨っぷりを見るとこんなものでしょう。
アンコモンは《炬火の炎/Flames of the Firebrand(M13)》、《溶岩噴火/Volcanic Geyser(M13)》が引き続き再録。
あまり大きな変化は無いと思います。
・クリーチャーはパワー偏重
相変わらず丘巨人こと《峡谷のミノタウルス/Canyon Minotaur(M13)》がいるあたりいつもの赤という感じ。
単体でのパフォーマンスは低いクリーチャーが多いです。
環境の速度に影響する2マナ3マナクリーチャーも大して強くないので極端にマナカーブを低く寄せた高速デッキは作りにくいと思います。
赤の注目点はマナコストよりパワーの高いクリーチャーがコモンに2体いる点。
無法の槌角(4マナ5/3アタック強制、獣の代言者がいればデメリットナシ)、レガーサの火猫(3マナ、4/1バニラ)がそれに当たります。
これらの攻撃を上手く通せれるかが鍵になりそう。
ベタですが《稲妻の鉤爪/Lightning Talons(ALA)》つけたりなんてのは面白いですね。
一応コモンに回避能力持ちとしてそこそこのサイズのあるサイクロプスの暴君(6マナ3/4威嚇、パワー2以下をブロックできない)がいるので、うまく場を持たせられるデッキを作れたときはフィニッシャーになってくれるかもしれません。
・黒との親和性
《燃え投げの小悪魔/Pitchburn Devils(ISD)》、《反逆の行動/Act of Treason(GTC)》の二枚がコモンなので、黒の生贄エンジンと組み合わせると効果倍増。
いずれも単品だと大して強くないカードなので、アーキタイプとしては狙い目です。
・レアアンコはドラゴン
コモンでは飛行戦力の薄い赤ですが、高レアリティではドラゴンの卵とかシヴの抱擁とかシヴ山のドラゴンとか強いのが沢山います。
赤をやる際はこれら高レアリティの重量級カードを軸とするか、コモンの頭でっかちを軸とするかをきちんと決めておいたほうがいいでしょう。
------
除去の質、クリーチャーの内容共にM13の赤と良く似てるなーという印象を受けます。
M13の時と異なり他の色が防御的になっているので、その中で珍しい攻撃的カラーという点にどこまで活路を見出せるかがポイント。
------
【緑】
・重くでかいクリーチャー陣
今回の緑には《ケンタウルスの狩猟者/Centaur Courser(M13)》がいません。
かわりに《ルートワラ/Rootwalla(10E)》が入りました。
さらに注目したいのは轟くベイロス(ダブシン4マナ、4/4バニラ)。コモンで4マナ4/4が存在するのは結構な事件です。
この二枚は強力なカードですが、その分かかるマナも大きいです。
つまりこれらの能力を存分に発揮できるような落ち着いたゲーム展開を用意することになります。
幸い今回《大蜘蛛/Giant Spider(M12)》、《命取りの出家蜘蛛/Deadly Recluse(M13)》が揃って再録されているので、ゲームを落ち着かせるのに苦労はしないでしょう。
あるいはマナ加速戦術を使うのも手。
《遥か見/Farseek(M13)》こそありませんが、エルフの神秘家(ラノワールのエルフの同型再版)、マナ編みスリヴァー(スリヴァーがマナクリ化)、《新緑の安息所/Verdant Haven(GTC)》を使用して素早くファッティに繋げるのもいいでしょう。
5マナ域以降にもレシオに優れたクリーチャーが数多くいるため、出来るだけライフを保持した状態でゲーム中盤を迎えたいものです。
・充実の飛行対策
前述の蜘蛛二種に加え《垂直落下/Plummet(M13)》が安心の再録。
アンコモンには《暴風/Windstorm(M10)》も再録されており、緑に良くある「上が止まらず負け」というパターンはかなり減らせるのではないでしょうか。
・多色化しやすい
前述の《新緑の安息所/Verdant Haven(GTC)》と《地勢/Lay of the Land(APC)》の2種がコモンにあるので、多色化はかなりしやすいと思います。
除去や飛行クリーチャーなど緑に足りない要素を他で補うという戦術はありでしょう。
特に《霜のブレス/Frost Breath(M12)》と訓練されたコンドル(3マナ2/1飛行、攻撃時に対象クリーチャーに飛行付与)が緑のファッティと相性の良い青はタッチにもお勧めの組み合わせです。
・レアアンコはそれなり
踏み荒らしの後継種である大型化や《茨群れの頭目/Briarpack Alpha(DKA)》など戦闘に関係する強力カードがあります。
あとは少々特殊な条件なファッティなどで占められております。
まあいつもの緑ですね。
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緑はM13と方向性は似ていますが、より重く、強大になったなという印象を受けます。
その上でテンポ負けを防ぐ蜘蛛二種の再録がされてるあたり、うまく調整されている感じもしますね。
コメント
プレリやドラフトの分析も楽しみにしています。
シールドの参考になります!
ナベだけ摘まれて乙! ってなりそうw
ありがとうございます。
基本セットはわかりやすいカードが多いので分析しやすいですね。
>Hatredさん
シールドではクリーチャーの強い緑とアドの取りやすい青が人気出そうですね。
タッパーもティムもおらずシステムクリーチャーが弱いセットなので、除去が少ない弱点もあまり気にならないと思います。
>dds666さん
クリーチャー、除去、ボムレアどれを取っても中途半端な感じですね。
黒と違ってガメれば強いっていうカードもないのでドラフトでは人気なさそうです。