Willowさんお勧めということで見たんですがおもしろかったです。
1クールと短いのもさることながら、内容の良さも相まって2日で一気に全話見てしまいました。

経済を題材にしたバトルアニメということで、やたらと中二っぽい響きの経済用語(インビジブルハンド-神の見えざる手-とかコンドラチェフ周期とかねw)を技名にブリーチみたいなオサレバトルを繰り広げるアニメかと思ってたんですが、現実の財政をテーマにした結構シリアスな作品でした。
大学でマクロ経済学学んだ人に特にお勧めしたいアニメ。

以下ネタバレ含みます。

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個人の未来を担保に借り入れたミダスマネーを賭けて仮想世界「金融街」で戦いを繰り広げるという設定。負けたものはミダスマネーを失い、担保である未来を差し出すことになる。

例えばある登場人物は金融街でのバトル(ディール)の敗北によって子供3人を失った。しかしこの3人の子供を失ったという事実は金融街の当事者のみが把握できる事実であり、無関係の者はその事実に気づくことなく日々を過ごしている。

また、ミダスマネーは現実世界にも流通しており、金融街のプレイヤーはそのお金を黒いお金として視覚的に認識できるが外部の人間はその区別ができない。
ゆえに現実世界ではコンビニのレジに入っている札がプレイヤーには黒い札と通常のお札が混じって見えたりする。

そして金融街は日本以外にも存在し、全世界で全部で9つの金融街がある。
主人公が身を置くのは極東金融街という場所。

物語ではCと呼ばれる災厄から自国の危機を救うことが目的になっている。
Cは「金融街の資金が無くなり、更に金融街の影響範囲内にある人間全ての未来をミダスマネーに変換し尽くした時に発生する現象(wikipediaより)」。
イメージは株式、債券の価値の暴落による市場閉鎖。
物語ではシンガポール金融街で発生したCが他の金融街にも派生し、国家が消滅の危機に晒されていく。

Cの危機からの日本を守るために三國という男が金融街で「輪転機」を回すことを決断する。
輪転機は人々の未来と引き換えにミダスマネーを発行する機械でダークネスカードを持つ三國にしか使えない。

三國の輪転機により得た資金による買い支えによりCの危機は一度去る。
しかし未来を犠牲にしたことにより、日本はホームレスが跋扈する希望の失われた社会になってしまった。

その後再び訪れたCの危機に対し、再び輪転機を回そうとする三國に対し「未来を犠牲にするのは間違っている」としてそれを阻止しようと主人公が対決を挑む。

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というのが大筋。

内容としては将来の繁栄(=経済成長)を当てにして国債を刷ってる日本国への問題提起です。このアニメでは人々の未来を当てにしたミダスマネーという形で表現されています。

増え続ける国債発行額を見ればわかるとおり、現在ジリ貧の状態が続いている日本国ですが「いつまでこんなことが続くんだろうね?」ということですね。

日銀の事実上の国債引き受け(=量的緩和)とかやってる時点で結構ヤバいような気がしなくもないんですが、今のところは低金利での国債発行が続けていられますしなんとかなってます。
まだまだ日本円の信頼度は他国に比べて高いということなんでしょう。あるいはそれだけ他がヤバいということか。

4年前にユーロ危機が経済ニュースの中心に居座り続けたことがありましたが、似たようなことが日本で起こらないとも限りません。

現実世界は帳簿上の数字の移動がメインの、言わば「金融資本主義」でなりたっていますが、このアニメのCのように崩れるときはあっさり崩れていくのかもしれませんね。考えてみれば世界恐慌からまだ100年経ってないわけですし。

ケインズの提唱した財政政策での経済社会コントロールが過去の間違った認識と言われるような未来も意外と近いのかも。

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