時を越えた探索/Dig Through Time  (6)(青)(青)
インスタント
探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)

あなたのライブラリーの一番上から7枚のカードを見る。それらのうちの2枚をあなたの手札に加え、残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。

探査/Delveは、「この呪文の総コストにある不特定マナ1点につき、あなたはそのマナを支払うのではなく、あなたの墓地にあるカードを1枚追放してもよい。」を意味する。 (mtg wikiより)

探査はKTKでスゥルタイクランが持つキーワード能力として設定されています。
しかしリミテッドにおいて探査を持つカードは別にスゥルタイ専用ではありません。

もちろん《テイガムの策謀/Taigam’s Scheming(KTK)》などで積極的に墓地を肥やせるスゥルタイで使用するのがもっとも良いのですが、例えば上記の時を越えた探索ならばスゥルタイ以外でもジェスカイ、ティムールでもマナさえ払えば使用可能です。

今回は墓地を積極的に肥やさない非スゥルタイピックをしていたときに使う探査カードについて考察します。

・前提条件:探査は1枚

墓地はそう簡単に越えるものではありません。
スゥルタイでないクランの場合インスタントやソーサリーの使用だったり、クリーチャーの相打ちがないと増えません。

対して探査カードは探査できない場合、とてもマナレシオの悪いカードばかりなのでそう闇雲に探査カードばかりデッキに突っ込むわけにもいかないです。

デッキ構成がスペルに偏ったジェスカイのような例外はありますが、基本的には探査カードはデッキに一枚までと思ったほうが良いでしょう。
探査カードは大体墓地を3枚取り除ければ優秀というレベルのマナコスト設定がされていますが、普通のデッキではゲーム中盤までに取り除ける墓地の枚数は3枚程度です。

それではカード探査を持つカード毎に対応するクランとその効能を見ていきます。(評価はドラフトでのものです)

宝船の巡航/Treasure Cruise  (7)(青)
ソーサリー KTK, コモン

探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)

カードを3枚引く。


ジェスカイ:△
ティムール:×

果敢を中心としたジェスカイならばこれを打ってさらに果敢のタネを探しにいくという使いかたも出来るため悪くありません。
ただし、打てるのはおそらく6ターン目以降となるため、マナカーブが前によった速攻タイプのデッキでは投入は余地はないでしょう。

クリーチャー主体のクランであるティムールでは、よほどスペルに恵まれない限り入らないでしょう。

しかしながらじっくりと捌いてくるスゥルタイ相手のサイドボードとしては悪くない働きをします。

なお、シールドでは手軽に採用できるアドバンテージカードとして採用の価値があるカードです。

スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger  (5)(黒)
クリーチャー ― 鳥(Bird)・戦士(Warrior) KTK, コモン

探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)
飛行

3/3


アブザン:○
マルドゥ:◎

探査の中ではスペックに対して素のマナコストが低いカードであり、かなり投入しやすい1枚。

コモンの飛行クリーチャーの中では最大のサイズを誇る優良カードであり、アブザンでもマルドゥでも良い働きをします。

特にマルドゥにおいては序盤に展開した軽量生物の攻撃が通りにくくなる中盤以降、最後の数点を削るのに役に立つすぐれたカードです。
地味に戦士なので《鱗の隊長/Chief of the Scale(KTK)》や《戦場での猛進/Rush of Battle(KTK)》とのシナジーがある点を忘れずに。

よろめく従者/Shambling Attendants  (7)(黒)
クリーチャー ― ゾンビ(Zombie) KTK, コモン

探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)
接死(これが何らかのダメージをクリーチャーに与えたら、それだけで破壊する。)
3/5


アブザン:△
マルドゥ:×

とにかく素のコストが重いため、非常に使いにくい一枚。
序盤を壁などで耐えられるアブザンならばギリギリ採用の価値があるかというレベル。

高いタフネスと接死の組み合わせにより場に出た後の影響力は高いため、高マナ域で制圧力の高いカードが求めている場合にはワンチャンあるかという程度。

わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills  (5)(緑)
クリーチャー ― 類人猿(Ape) KTK, コモン

探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)
トランプル
4/4


アブザン:△
ティムール:○

コモン探査の中では使いやすい一枚。

アブザンでは悪くない程度の性能。
ただ、このあたりのマナ域であえてこれを選ぶ必要があるのかと言われれば疑問が。
アブザンといえば高タフネスクリーチャーにより序盤を耐えた後に、圧倒的なサイズで押しつぶす戦略が基本となるクランですが、さあ反撃だという時期に4/4というサイズでは少々物足りなさは感じます。

一方ティムールにおいては獰猛を満たすパワー4は有用。
《凶暴な殴打/Savage Punch(KTK)》や《龍鱗の加護/Dragonscale Boon(KTK)》、《引き剥がし/Force Away(KTK)》などと共に使うことでトランプルが活きる場面も多々あります。
クランの戦略上、5マナ4/4トランプルぐらいで考えても十分良い働きをしてくれると思います。


ここからアンコモン

漂流/Set Adrift  (5)(青)
ソーサリー KTK, アンコモン

探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)

土地でないパーマネント1つを対象とし、それをオーナーのライブラリーの一番上に置く。


ジェスカイ:△
ティムール:×

効果に対して素のコストが妙に重い。

ブロッカー排除と相手のドローを遅らせる効果はジェスカイにおいては悪くないのですが、いかんせんコストが・・・。
似たような働きをする《悪寒/Crippling Chill(KTK)》がコモンにあるのもマイナス。スペル枠最後の1枚として入れるならというレベル。

ティムールでこれを打つぐらいなら《石弾の弾幕/Barrage of Boulders(KTK)》や《挑発の咆哮/Roar of Challenge(KTK)》を入れて、それらがちゃんと機能するデッキを作ったほうが良いです。
一体ブロッカーを排除することが大事なクランではありません。

残忍な切断/Murderous Cut  (4)(黒)
インスタント KTK, アンコモン

探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)
クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。


アブザン:◎
マルドゥ:◎

《肉は塵に/Flesh to Dust(M15)》を考えれば元のコストがそもそも安い。

相手の変異が表還ったのを確認してから打てるというインスタントという特性上、別に5マナで唱えても良いため特に考えなしにデッキに入れていいカード。


死の投下/Dead Drop  (9)(黒)
ソーサリー KTK, アンコモン

探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはクリーチャーを2体生け贄に捧げる。


アブザン:△
マルドゥ:×

最重量探査。

あまりに重過ぎるため、ゲームをかなり長引かせられるアブザンならば一考の余地ありという程度でしょう。
その場合ですらなるべく墓地にカードをためる工夫はしたいところです。例えば《射手の胸壁/Archers’ Parapet(KTK)》等で粘るのではなく、《マルドゥの悪刃/Mardu Hateblade(KTK)》で積極的に相打ちを取りにいくとか。

速攻クランのマルドゥでこれをうまく使えるデッキというのは思いつきません。これを入れるより18枚目の土地でも入れて事故の可能性を回避するほうがよっぽどゲームに勝てる可能性が上がると思います。
せめて狙った対象を倒せる確定除去ならば採用も考えるのですが。

強大化/Become Immense  (5)(緑)
インスタント KTK, アンコモン

探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+6/+6の修整を受ける。


アブザン:△
ティムール:△

バットリとして使えば大抵のクリーチャーを一方的に打ち倒すことができる修正値。が、現実にはほとんど6点火力みたいな使い方のカード。

押してる場面の最後の一押しとしては優秀ですが、押されているときの防御用に使うのは少々リスクの大きいカードであり強さにムラがあるためもっと安定したカード(生物だとか、バットリならば《龍鱗の加護/Dragonscale Boon(KTK)》だとか)を個人的には使いたいです。



ここからレア

時を越えた探索/Dig Through Time  (6)(青)(青)
インスタント KTK, レア

探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)

あなたのライブラリーの一番上から7枚のカードを見る。それらのうちの2枚をあなたの手札に加え、残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。


ジェスカイ:○
ティムール:○

重さは気になるところですが、欲しいカードをピンポイントで引っ張ってきたい終盤に打つ分には十分な働きをします。

ジェスカイで《ジェスカイの魔除け/Jeskai Charm(KTK)》や《ラッパの一吹き/Trumpet Blast(KTK)》を探しにいったり、ティムールで《石弾の弾幕/Barrage of Boulders(KTK)》を探しにいったりという使い方ができれば最高。

もっとも普通にアドバンテージを取れるカードでもあるため、消耗戦の後に生物を探しに行く用途でも活躍します。

青マナを2つ要求されるためタッチカラーとして使うのは難しいという点を除けば、普通はデッキに入ってくるカード。

死滅都市の悪鬼/Necropolis Fiend  (7)(黒)(黒)
クリーチャー ― デーモン(Demon) KTK, レア

探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)

飛行
(X),(T),あなたの墓地にあるカードをX枚追放する:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは-X/-Xの修整を受ける。
4/5


アブザン:△(かなり×寄り)
マルドゥ:×

召還コスト、能力起動コストともに大量の墓地を必要とするため実質スゥルタイ専用。というかスゥルタイですら墓地が足りなくなるぐらいの墓地依存カード。
書いてあることは派手なので環境初期は初手で取ったこともありましたが、やってみてわかる使いにくさです。

ロングゲームを目指すアブザンならば一考の余地はありますが、これより《大牙コロッソドン/Tusked Colossodon(KTK)》とか入れてたほうがまだいいかと思います。

奈落の総ざらい/Empty the Pits  (X)(X)(黒)(黒)(黒)(黒)
インスタント KTK, 神話レア

探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)

黒の2/2のゾンビ(Zombie)・クリーチャー・トークンをX体、タップ状態で戦場に出す。


クアドラブルシンボルはさすがに検討の余地はないかなあと。
黒濃い目の純正スゥルタイですらこれを入れるのはかなり勇気がいるのではないでしょうか。

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ということで全11枚の探査スペルを見てきました。
傾向としては

・スゥルタイでないクランで使いやすいカードはコモンに寄っている
・ゴミあさり、マンドリルは摘まみやすい
・青いクリーチャーは探査には無い


というところ。
他クランでのピックにあたり、参考までにどうぞ。

コメント

Estuary
2014年11月23日0:11

解説ありがとうございます!参考になりました!

いぜっと@オルゾフ組
2014年11月25日0:08

>かわぐちごうさん
お褒めの言葉ありがとうございます。
ドラフトのほんの一部分に過ぎない内容ですが、これを参考にドラフトをさらに楽しんでいただければ幸いです。

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