村上春樹のモダン
2017年5月20日 Magic: The Gathering手狭いカードショップのデュエルスペースで僕はモダンをプレイしていた。
この店の主人はアニソンというものが好きらしく、店には流行のアニメの主題歌がかかっていた。
「ハンドは何枚あるの?」
僕は対戦相手の女ーースリーブのかかったカードが散らばった細長いテーブルの先に座っているーーに聞くことにした。
すると相手は言葉を発することなく静かにハンドを僕に近づけてきた。
その女の指は綺麗で、4日前にベッドの上で見た名も知らない女の指を僕は思い出していた。
ハンドの枚数は2枚、あるいは3枚だったかもしれない。いや、4枚だったかもしれない。
「思考囲いを2点ペイで」
僕は思考囲いをプレイした。
するとその女は、一人息子の写真でも見せるかのような微笑みでハンドを公開した。
そのハンドは強情なベイロスが1枚と何枚かの土地で出来ていた。
「やれやれ」
僕はまるでアモンケットのミイラ生成所にいるかのような気分になった。好む好まざるに関わらず、僕はこのベイロスを捨てさせなければならない。
「オーケー、ベイロスを捨ててくれ」
そのベイロスは最初から戦場にいたかのように戦場に出た。
あのとき僕は思考囲いをプレイしない選択肢はあったかもしれない。
でも完璧なプレイングなんて存在しない。完璧なデッキが存在しないようにね。
この店の主人はアニソンというものが好きらしく、店には流行のアニメの主題歌がかかっていた。
「ハンドは何枚あるの?」
僕は対戦相手の女ーースリーブのかかったカードが散らばった細長いテーブルの先に座っているーーに聞くことにした。
すると相手は言葉を発することなく静かにハンドを僕に近づけてきた。
その女の指は綺麗で、4日前にベッドの上で見た名も知らない女の指を僕は思い出していた。
ハンドの枚数は2枚、あるいは3枚だったかもしれない。いや、4枚だったかもしれない。
「思考囲いを2点ペイで」
僕は思考囲いをプレイした。
するとその女は、一人息子の写真でも見せるかのような微笑みでハンドを公開した。
そのハンドは強情なベイロスが1枚と何枚かの土地で出来ていた。
「やれやれ」
僕はまるでアモンケットのミイラ生成所にいるかのような気分になった。好む好まざるに関わらず、僕はこのベイロスを捨てさせなければならない。
「オーケー、ベイロスを捨ててくれ」
そのベイロスは最初から戦場にいたかのように戦場に出た。
あのとき僕は思考囲いをプレイしない選択肢はあったかもしれない。
でも完璧なプレイングなんて存在しない。完璧なデッキが存在しないようにね。
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